008 Candle JUNE with Hitomi Kamanaka and Kana Yoshikawa




Candle JUNE(以下、J):鎌仲さんの監修で香菜ちゃんたちと「6paper」というフリーペーパーを継続的に出していますが、六ヶ所村や祝島を始め、だいぶいろいろな問題があることが分かってきました。だから今回は、その先の「これからどうするのか?」というところをもう少しダイレクトに、リアルに話してみたいんです。映画では祝島をクローズアップしながら、スウェーデンの事例なども見せていますよね。祝島でビワやヒジキを育てている様子を見ていると、それらをきちんとコマーシャルして、生産し過ぎず無駄のない効率のいい販路で、売ることが大事なのかなと思いました。

鎌仲ひとみ(以下、K):産直のルートを確立するってことですね。それを映画に出てくる孝くんは一生懸命やっているんだけれども・・・。

J:そこにもうひとつ、何かをプラスできればいいのかな? 自分的な発想だと、例えば、人を集めてイベントを企画するということなんですが・・・。ビワ茶やその他の商品パッケージを著名な人に頼んで、メッセージを添えて、より影響力のあるところで販売するような流れができると、媒体にも取り上げられる可能性があっていいのかもしれません。単にオーガニックを売りにするのでなく、もう少し、東京的なテイストを入れて広められるといいのかな、と。オーガニックなものってコストを下げるためにパッケージが簡素ですが、デザインを工夫するとか、いろいろやり方はあるんじゃないかな。それによって年間を通しての行事ごとや折々の旬の食べ物をクローズアップできれば、もう少し山口県内とかあの周辺全体での観光にも注目も集まるかもしれません。流通の時にひとデザイン加えるだけでみんなの意識が変わる可能性ってあるのかもしれない。

吉川香菜(以下、Y):確かに、都会の人が反応しやすいものを考えることも大事なことかも?

K:祝島のものを買うと祝島を支えることができるという、そういうことが目に見えてできる何かがあるといいなぁと思いますね。それは、スウェーデンの人たちが買い物をする時に商品を選択するだけで、変なものを作っている企業が社会から消えて、さらにより良いものが作れるように、より環境的になるように、消費者の力で変わっていくってことをやっているように。

Y:映画にあったそのスウェーデンの仕組みはシンプルでとてもいいと思いました。映画を見ていると、祝島では難しいと思ってしまうけれども、スウェーデンの人はすごく単純に、例えば「なんで電気が選べないの?」と言うんですよね? それに関して「確かに!」と単純に我に返る部分もあったりするんです。入り込んでいくと難しい部分もあるかもしれないけど、最初に立ち戻ってシンプルに組んでいったら本当にできる気がします。ゆくゆくは電気の選択をしたいですよね。今って私たちが使っている電気料金として、私たちは原発を建てないで欲しいって思っているのに、原発の開発資金になるようなお金を払っている。やだと思っているのにお金を払い続け、原発を支え続けているなんて・・・。自分がこういう電気を使いたいというものに対して大切なお金を使いたいです。

K:エネルギーシフトをする最低条件は、電力が自由化されることももちろんなんだけど、配電網が解放されることなのよね。発電した電気エネルギーを発電した人が送電線にアクセスして使えるルートができないといけない。それはスウェーデンのエネルギー庁長官が「バリアを外すんだ!」って叫んでいたシーンですね。それができると「私はこの電気を買います」という選択が出来るようになって、自由化の方に行くんだよね。そこが日本ではできてない。だから、原発反対って言うのが嫌な人はそれをやったらどうかなと思います。石油でもなく、ウランでもなく、再生可能エネルギーだけで自分の電気使いたいという活動。電気の産直のイメージを広めるのって、どうかなぁ?

J:日本全体も島国ですけど、さらに個々の島にこそ、そういうチャンスがあるような気がするんですよね。島なら規模やサイズがはっきりと分かっているし、コミュニティがしっかりしている。だから、島ごとにそういうプロジェクトというのが始まっていくと面白いなと思います。

K:そうよね。可能性はすごくあると思う。だってあんなに資源のない北国のスウェーデンでできていることが、祝島のように恵まれた島でできないわけはないから。

J:祝島への投資計画みたいなものを誰か立ち上げないですかね?

K:寄付をすることではなく、島のなかでそれができたら一番いいよね。阻止行動の最中、中国電力の人が「祝島にも島根原子力発電所で発電した電気を海底ケーブルでお送りしております!」って言うんだけれど、祝島の人にとっては「ええ〜っ」な訳なのよね。島を守るために反対デモをしている。でも同時に島がエネルギー自立できたら面白い。祝島で新しいエネルギーの実験をしたり、市民出資で市民発電所みたいなものを作ってエネルギーの自給率を高めて他の地域に発信したら面白い。








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